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レアル・マドリード vs Inter Milán

UEFAチャンピオンズリーグ / Estadio de Real Madrid / 2026年9月9日(水)

レアル・マドリード 2-1 Inter Milán

試合サマリーと得点経過

カルロス・アウグスト(Inter Milán)

ラ・リーガ前節のベティス戦で0-1の今季初黒星を喫し、重苦しい空気のなかでUEFAチャンピオンズリーグ(CL)開幕戦を迎えたジョゼ・モウリーニョ率いるレアル・マドリード。対するは、セリエAで開幕3連勝と絶好調のイタリア王者InterMilán。モウリーニョ監督にとっては2010年に欧州三冠を成し遂げた思い出の古巣との因縁の対決であり、熱気に包まれたサンティアゴ・ベルナベウで火蓋が切られた。

試合は序盤、ホームのレアル・マドリードが相手のビルドアップの隙を逃さず主導権を握る。前半立ち上がり、前線からのハイプレスで相手のミスを誘発すると、素早いショートカウンターを発動。ペナルティエリア内に鋭く侵入したキリアン・エムバペが冷静にネットを揺らし、幸先よく先制点を奪う。さらに勢いに乗るレアル・マドリードは前半30分手前、前線への力強い推進力を見せたフェデリコ・バルベルデが相手守備陣のスキを突いて追加点を叩き込み、リードを2点に広げた。

しかし、後半に入ると攻勢に出たのはInterMilánだった。中盤のポゼッションを高めてレアル・マドリード陣内に押し込むと、77分に負傷欠場したフェデリコ・ディマルコの穴を埋めるカルロス・アウグストが左サイドから泥臭く押し込んで1点差に迫る。終盤はInterMilánが怒涛の波状攻撃を仕掛け、シュート数でもレアル・マドリードを上回る展開となったが、守護神クルトワのビッグセーブ連発によりレアル・マドリードが2-1で逃げ切った。勝利を収めたものの、ゲームをコントロールできずに終盤押し込まれた戦いぶりに対し、ベルナベウのスタンドからは称賛だけでなく厳しい指笛が飛ぶ、後味の悪さを残す勝ち点3となった。

戦術・采配のポイント

レアル・マドリードは前シーズンの処分により、アルダ・ギュレル、ベルナルド・シウバ、エドゥアルド・カマヴィンガの中盤3選手が出場停止という絶体絶命の事態に直面した。モウリーニョ監督は右サイドバックのトレント・アレクサンダー=アーノルドをバルベルデと並べるダブルピボットへコンバートする奇策を敢行。前線にはジュード・ベリンガムをトップ下に配し、ブラヒム・ディアス、ヤン・ディオマンデ、ヴィニシウス・ジュニオール、エムバペを一挙に並べる超攻撃的布陣を組んだ。

しかし、この即席の中盤コンビはボール保持時の落ち着きを欠き、アレクサンダー=アーノルドのパス成功数がわずか20本にとどまるなど、ゲームを落ち着かせるポゼッションを作れなかった。攻撃陣の個の力で得点こそ重ねたものの、組織的な守備ブロックの形成や中盤でのフィルター機能に大きな課題を残し、試合は目まぐるしい乱打戦の様相を呈した。

一方、クリスティアン・キヴ監督率いるInterMilánは、昨季セリエAMVPのディマルコを膝の負傷で欠いたものの、カルロス・アウグストがしっかりと穴を埋めた。ハカン・チャルハノールとニコロ・バレッラが中盤のタクトを握り、マルクス・テュラムとラウタロ・マルティネスの2トップが果敢に裏を狙う3-5-2でレアル・マドリードの不慣れな中盤を圧迫。後半は完全にゲームの主導権を支配した。

モウリーニョ監督は79分、パス回しでリズムを作れず守備に追われていたアレクサンダー=アーノルドを下げ、病み上がりのオーレリアン・チュアメニを投入して守備の強度確保を図った。さらに87分には、1対1で後手が回り不満を募らせていたヴィニシウスを交代。この交代の際、ベルナベウの一部サポーターからヴィニシウスに向けて大きな指笛が浴びせられ、ヴィニシウスがサポーターに拍手を返しながらベンチへ退くという緊迫した場面が見られた。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地メディア(MARCA, AS, SPORT, Mundo Deportivo, ElDesmarqueなど)の評価を集約すると、この試合で最も評価を高めたのは絶体絶命のピンチを救い続けた守護神ティボー・クルトワと、中盤で圧倒的な運動量を誇り貴重な追加点も決めたフェデリコ・バルベルデだった。各紙ともクルトワにはチーム最高(10点満点中8点相当)の採点をつけ、「彼がいなければ引き分け、あるいは逆転負けを喫していた」と絶賛した。

一方で、最も評価が分かれ議論の的となったのがヴィニシウス・ジュニオールキリアン・エムバペである。

ヴィニシウス・ジュニオールに対する評価:

1対1で相手DFを打開できず、無謀な仕掛けや判断ミスを繰り返したと厳しく指摘。「かつての圧倒的な切れ味は影を潜めており、途中でベンチに下がった際のブーイングは妥当」と辛口評価(4〜5点相当)。

運動量や守備への戻りなどチームへの献身を一定評価しつつ、「早期の批判はチーム全体に悪影響を与える」と擁護。

キリアン・エムバペに対する評価:-先制ゴールを挙げた点は評価されたものの、決定的な好機を何度も逃したことや、ベティス戦に続く決定力不足に対して、MundoDeportivoElDesmarqueは「スター競演の攻撃陣に期待された圧倒的なフィニッシュ力からは程遠い」と課題を挙げた。

メディアごとの見解の対比:

Carreño(ElDesmarque)らは、「2点リードしながら相手に主導権を渡してバタついた試合展開」や「ベルナベウの観客が見せた不満」を重く受け止め、「2シーズン無冠のプレッシャーと中盤の脆弱性が露呈した不安な勝利」と懐疑的な論調を展開した。

Milánから勝ち点3をもぎ取った実理を強調しつつも、モウリーニョ監督の目指す「ゲームコントロール」には程遠かった点について客観的な分析を加えている。

試合後の監督・選手コメント

ジョゼ・モウリーニョ(レアル・マドリード監督):試合後の記者会見で、勝利にもかかわらず浮かない表情を見せたモウリーニョ監督は、ゲーム展開に対する強い不満を口にした。「5-1や6-1で勝つこともできただろうが、6-6で終わっていてもおかしくない試合だった。このような狂気(locura)のような試合は私の好みではない。私が求めているのは完全なコントロール(control absoluto)だ。」

さらに、中盤の不出来とポゼッション不足についても言及した。「後半、自分たちのサッカーができなかった時に非常に苦しんだ。ボールを保持して休む(descansar conella)忍耐強さが欠けていた。自分たちが改善すべき点を自覚しなければならない。」

また、今夏に構外通知を出して放出したダニ・セバジョスの名前を引き合いに出されると、ポゼッションを落ち着かせるタイプのMFが不在だった現実を認めつつも、今後のチーム改善を誓った。さらにブーイングを浴びたヴィニシウスについては、「1対1でベストでなくとも、ピッチ上で全力を尽くす選手は尊重されるべきだ」と庇った。

キリアン・エムバペ(レアル・マドリード):「ボールを持った時にもっと落ち着いてコントロールし、より多くのチャンスを作らなければならない。世界最高を目指すチームにとって、毎日改善すべき点があるのは当然のことだ。」

Edu Aguirre(El Chiringuito / Mundo Deportivo):「モウリーニョも選手たちも意識をポジティブに変えて走っている。ベルナベウのサポーターも過去2年の悪い記憶を捨て、意識を変えるべきだ。少しの不出来ですぐにピトスを送るような雰囲気では、チームはタイトルを獲得できない。」