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エルチェCF vs レアル・ソシエダ

ラ・リーガ / jornada-4 / Estadio de Elche / 2026年9月8日(火)

エルチェCF 2-3 レアル・ソシエダ

試合サマリーと得点経過

2026年9月7日、記念すべき開場50周年を迎えたエスタディオ・マヌエル・マルティネス・バレーロで行われたラ・リーガEASPORTS第4節。エルチェCFとレアル・ソシエダの激突は、VARの介入、一発退場、そして後半終了間際のドラマチックな決勝ゴールと、フットボールの「狂気」と「美しさ」がすべて詰まった、見る者の息をのむ大激戦となった。最終スコアは2-3。アウェイのレアル・ソシエダが死闘を制し、今季ロード初勝利という最高の形でクラブ創設117周年の記念日を自ら祝福した。

試合は立ち上がりから目まぐるしい展開を見せる。前半はレアル・ソシエダが効果的な縦への推進力で主導権を握った。先制ゴールが生まれたのは10分。レアル・ソシエダが得たコーナーキックのセカンドボールを、ペナルティエリア外で待機していたCarlosSolerが的確に回収。Solerがエリア内へ極めて正確な浮き球のパスを供給すると、今季初先発を飾った若きケニア人アタッカーのJobOchiengが素晴らしいポジショニングから豪快に右足を一閃。この強烈なラティガッソ(弾丸シュート)が、エルチェの守護神MatíasDituroが守るゴール右上隅に突き刺さり、レアル・ソシエダが鮮やかに試合を動かした。

勢いに乗るレアル・ソシエダは31分、エルチェの痛恨のミスを見逃さずにリードを広げる。エルチェが自陣深くからビルドアップを試みた際、センターバックのPedroBigasが最大の危険エリアで不用意なトラップミスを犯す。瞬時にボールを奪い取ったOchiengがエリア内へ侵入してディフェンスを引き付け、後方から並走していたベネズエラ代表MFYangel Herreraへラストパス。Herreraは冷静にシュートを放ち、Dituroの脇下を抜くセービングエラーを誘って追加点をマークした。前半はこのまま0-2で折り返す。

しかし後半、試合の運命を決定づける「カオス」が到来する。61分、レアル・ソシエダは鮮やかなカウンターからLukaSucicがネットを揺らし、0-3と試合を決定づけたかに思われた。だが、ここでVARが介入する。主審のOrtizAriasがモニターを確認した結果、ゴールの起点となるプレーの直前、自陣エリア付近で途中出場のJon MartínがFerNiñoのパスを腕でブロックしていたことが判明。判定は劇的に覆り、Sucicの追加点は取り消され、さらにMartínには決定的な得点機会の阻止(DOGSO)として一発退場処分が下された。

この判定でスタジアムのボルテージは最高潮に達し、数的不利に陥ったレアル・ソシエダに対してエルチェが猛烈な反撃を開始する。67分、エリア付近でボールを持ったBigasが前線へ楔のパスを通すと、途中出場のThomasLemarがこれを受け、得意の右足で地を這うような強烈なミドルシュートをゴール左隅に突き刺して1-2。息を吹き返したエルチェは、攻撃の手を緩めない。

そして74分、ついに同点ゴールが生まれる。Lemarを起点とした左サイドへの展開から、Germán Valeraがファーサイドへ絶妙なクロスを供給。ここに走り込んだTeteMorenteがヘディングで折り返すと、ゴール前に潜り込んでいたFerNiñoが胸で泥臭く押し込み、2-2の同点とした。バレーロは歓喜の渦に包まれ、エルチェが逆転に向けてソシエダのゴールを脅かし続ける。

しかし、フットボールの女神が最後に微笑んだのは、10人で耐え忍んだレアル・ソシエダだった。89分、絶体絶命のピンチを凌いだソシエダがカウンターへ転じる。右サイドで粘ったOchiengが相手DFとのデュエルを制して前線へ絶妙な配球を見せると、中央に走り込んだLukaSucicが完璧なコントロールから相手ディフェンスのマークを外し、左足の弾丸シュート(サパタッソ)をDituroの牙城を破る形でゴールに叩き込んだ。この劇的な一撃が決勝点となり、レアル・ソシエダが狂乱の夜を制した。


戦術・采配のポイント

両チームの指揮官による戦術的な探り合いと、ベンチワークは試合の展開を大きく左右した。

まずホームのエルチェを率いるMartínAnselmi監督は、今シーズン初めて「5-3-2(3-5-2)」のシステムを採用。FerNiñoとEzequielPonceを2トップに並べ、守備時は5バックでブロックを形成しつつ、前線からは人に対して激しくアプローチするハイプレスを試みた。しかし、前半はこのハイプレスが裏目に出る。レアル・ソシエダの中盤を捕まえきれず、ビルドアップ時に個人エラーを連発。さらに、ソシエダが徹底したロングボールでハイプレスを無効化したため、自陣でセカンドボールを拾われ続ける構造的な課題が露呈した。

一方、レアル・ソシエダのPellegrinoMatarazzo監督(前節の退場処分により、この日はスタンドから観戦。ベンチではJohnMaisanoアシスタントコーチが指揮を執った)は、大胆な「6枚替え」を敢行して周囲を驚かせた。最大のポイントは、開幕からゴールマウスを守ってきた守護神ÁlexRemiroをベンチに置き、UnaiMarreroを起用したことである。Matarazzo監督は「エルチェが前線から強固なマンマーク・プレスをかけてくることは織り込み済みだった。自陣からのビルドアップで不必要なリスクを避けるため、ロングボールを用いて素早く敵陣に配球する狙いがあり、キック精度と素早い判断力を持つMarreroの特性が今日のゲームモデルに最適だった」と意図を明かした。さらに、新加入の大型センターバックMamadouSarrをスタメンに抜擢し、守備の物理的な強度と空中戦の優位性を確保した。

このロングボール主体のプランは、圧倒的なスピードと競り合いの強さを見せるJobOchiengの個性に完璧に合致し、前半の2ゴールを見事に演出した。

後半、試合の勝敗を分けたのは両指揮官の交代策である。エルチェのAnselmi監督は54分、機能不全に陥っていたBuonanotteとPonceを下げ、新加入のThomas LemarとAbielOsorioを投入。これがエルチェの攻撃を劇的に変えた。Lemarはハーフスペースで浮き球を引き出し、中盤のクリエイティビティを急向上させ、67分の追撃弾を自らマーク。さらに、数的優位を得た後は完全に主導権を握り、74分の同点劇を導き出した。

これに対し、ソシエダはJonMartínの退場(DOGSO)という致命的なアクシデントを乗り越えるため、なりふり構わぬ守備的シフトを強いた。Matarazzo監督は、前線で孤立気味だったOyarzabalとHerreraを下げ、Jon PachecoとJonGorrotxategiを投入して「4-5」の強固な二重ブロックを形成。さらに81分には、marchalに代えてHéctorFortを投入して5バックへ移行。エルチェの執拗なサイド攻撃とクロスを、徹底したペナルティエリア内の人数確保で跳ね返し続けた。この肉体的な犠牲を伴う守備の徹底が、前線に残されたOchiengとSucicによる89分の電撃的なカウンター決勝ゴールという唯一無二の勝機を作り出す要因となった。


現地メディアの選手採点・評価比較

この劇的な展開に、現地メディアの選手採点や評価も大きく波打った。特に、明暗が分かれたキープレイヤーへの論調は対照的である。

DeportivoなどでMVP選出)現地各紙はケニア人アタッカーの圧倒的なパフォーマンスをこぞって絶賛した。SPORT**は「エルチェのバックラインにとって終始『頭痛の種(dolor demuela)』であり続けた」と表現し、そのスピードだけでなく守備時の献身性、そして1人で相手守備陣を切り裂くカウンターの先鋒としてのクオリティを高く評価した。1ゴール2アシストという目に見える結果に加え、10人となったチームをアウェイの地で牽引した姿は、文句なしのマン・オブ・ザ・マッチにふさわしい。

前半はリンクマンとしてプレスのファーストラインを形成し、後半に数的不利となってからはCarlosSolerとともに中盤の広大なスペースをカバーする「無尽蔵のスタミナ」を見せた。一度はVARによって幻となったゴールにも心を折ることなく、89分に放った劇的な決勝zapatazoは、MARCAASでも「この試合で最もクオリティが高く、勝利への執念に満ちたアクション」と称えられた。

サプライズ先発となったMarreroに対し、現地メディアは好意的な評価を下した。DiarioVascoは「失点シーンは致し方ない部分もあったが、同点とされた後のピンチで見せた驚異的な反射神経は特筆に値する」と評価。特に後半アディショナルタイムに見せた、FerNiñoの決定的なヘディングシュートを防いだセービングは「勝ち点3を文字通り死守した」とメディア間で高く評価されている。

10点満点(ElDesmarqueでは「3点」の酷評)前半はFerNiñoへのタイトな監視とビルドアップの起点として非の打ち所がないプレーを見せていたが、後半の崩壊局面で評価を大きく落とした。ElDesmarque**は「Lemarのミドルシュートに対して十分なプレスをかけられず、さらに同点シーンではFerNiñoへのマークを完全に怠った」と厳しく指摘。新加入のMamadouSarrが好デビュー(採点6点)を飾っただけに、ベテランとしての不安定さが悪目立ちする形となった。

エルチェの守護神にとっては極めて屈辱的な夜となった。前半にBigasのミスから招いた2失点目のセービングについて、SPORTは「あまりにも簡単に体の下を抜かれ、サポーターから容赦ないブーイング(pitos)を浴びる原因を作った」と厳しく弾劾。前節のRacing deSantander戦に続くビルドアップ時、およびセービングのミスにより、現地ファンとメディアの信頼は失墜している。


試合後の監督・選手コメント

試合終了後の記者会見では、対照的な感情が爆発した。

レアル・ソシエダ:Pellegrino Matarazzo監督「3点目のゴールが決まったと思われた直後に退場者が出て、試合の景色は一変した。しかし、それまでに多くの決定機を作り、選手たちはピッチ上で勝利に値する十分な戦いを見せていた。レッドカードの後はシステムを保つのが困難になり、クロスへの対応で苦しい時間を過ごしたが、そこからの不屈のスピリットこそが我々のキャラクターだ。Luka(Sucic)の圧巻のランニング、そしてCarlos(Soler)の深みを作る献身性は、本当に誇らしい。Marreroの起用については、Álex(Remiro)が好調だったのは理解しているが、Unai(Marrero)の試合勘を保ち、競争力を高めることが必要だった。相手のタイトなハイプレスを回避し、ロングボールで素早く敵陣に侵入する今日のゲームプランにおいて、キックのクオリティに長けるMarreroのスタメン起用は極めて論理的だった」

レアル・ソシエダ:Job Ochieng(MVP選出選手)「ピッチで死力を尽くした。Jon(Martín)が退場してからは、地獄のような苦しい時間だったけれど、チームが一丸となってこの勝ち点3をもぎ取れたことが何よりも嬉しい。ハンドの場面については、僕の位置からははっきりと見えなかったのでジャッジについては何も言えないが、2-2に追いつかれた時は本当に全員で守り抜くしかなかった。ソシエダでの初ゴールを決め、自分のアシストでチームの勝利に貢献できたことは一生忘れられない瞬間だ」

エルチェ:Martín Anselmi監督「この試合の結末を表現するなら、ただ一つ『残酷(cruel)』という言葉に尽きる。ソシエダは決定機を確実にモノにした。我々が同点に追いつき、3-2へとひっくり返すチャンスがあったにもかかわらず、決めきれなかった。そのツケが最後の90分にあのような形で回ってきた。今はただ、深い落胆とフラストレーションを抱えている。だが、我々が恐れずに自分たちのアイデンティティを信じてフットボールを展開した時、ソシエダのようなjerarquía(格・気品)を誇るチームを完全に圧倒できることは証明できた。しかし、このリーグでは一瞬のミスも許されない。Dituroへのブーイングについては、彼は百戦錬磨のプロフェッショナルであり、明日からはまた毅然とした態度でチームを引っ張ってくれる。サポーターには本当に申し訳ない。彼らの熱い応援に、一刻も早く勝利という形で応えたい」

エルチェ:Pedro Bigas(キャプテン)「誰一人としてこのような結末を望んでいなかったし、予想もしていなかった。0-2から這い上がって同点に追いつき、僕らの手の中に勝利が転がり込んでくるという確信に近い手応えがあった。だからこそ、あのラストプレーでの失点はあまりにも痛すぎる。僕たちを追い詰めたのは、他でもない自分たち自身の些細なエラーだ。ここから目を背けず、チーム全員が固く結束して、この苦境を切り抜けていくしかない」