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レアル・ベティス vs レアル・マドリード

ラ・リーガ / jornada-4 / Estadio de Betis / 2026年9月5日(土)

レアル・ベティス 1-0 レアル・マドリード

試合サマリーと得点経過

うだるような熱気に包まれたラ・カルトゥハに、新たな歴史が刻まれました。試合開始直後、使用されるボールの空気が抜けていると選手たちが主審にアピールし、何度もボールが交換されるという異例のアクシデントで幕を開けた一戦は、予想をはるかに超えるスリリングなドラマへと昇華しました。

前半はアウェイのレアル・マドリードが圧倒的な個のクオリティを背景に攻勢を仕掛けます。ArdaGülerがバイタルエリアを軽やかに駆け回り、ベティスの両サイドバックの裏を突いて次々とチャンスを演出。11分にはGülerの極上のクロスからDeanHuijsenが至近距離でシュートを放つも、ベティスの守護神ÁlvaroVallesが超人的な反応でこれを阻止します。さらにViniciusJrが放ったシュートがポストを直撃し、前半終了間際にはJudeBellinghamとGülerが絡んだ高速カウンターからKylianMbappéに決定機が到来。VallesをかわしたViniciusJrのお膳立てから、Mbappéが無人のゴールに放ったシュートは先制点確実と思われましたが、ベティスのDFNatanと緊急投入されていたMarcBartraが魂を込めてライン上でダブルブロック。ベティスは奇跡的にピンチを凌ぎ、0-0で試合を折り返します。

後半に入ると試合は膠着状態に陥りましたが、終盤の81分にスタジアムが揺れます。ベティスが獲得したコーナーキックが歓喜の呼び水となりました。

【81分:レアル・ベティスの得点シーン】右コーナーキックから、途中出場のNelsonDeossaが驚異的な跳躍力で空中戦を制し、ヘディングシュートを放ちます。レアル・マドリードの守護神ThibautCourtoisがこれを辛うじて弾き返したものの、こぼれ球にいち早く反応したのが、こちらも途中出場して間もないアイルランド人FWのTroyParrottでした。レアル・マドリードのFedeValverdeがオフサイドラインを上げる判断を誤って後方に残る中、Parrottは泥臭く体を投げ出し、Courtoisの弾いた短いクリアをゴールネットへ押し込みました。

追い詰めたレアル・マドリードは87分、Vinicius JrのアウトサイドクロスからCarlosEspíがアクロバティックなセミシザーズ(半バイシクル)を決めて同点に追いついたかに見えましたが、VARの介入により直前のプレーでEspíのオフサイドが認められ、ゴールは幻に。さらにドラマは終わらず、93分にNatanがViniciusJrをペナルティエリア内で倒してレアル・マドリードにPKが与えられます。同点の絶好機にキッカーを務めたのはMbappé。しかし、この日神懸かっていたVallesが完全にシュートコースを読み、見事なセーブで弾き出しました。マドリーの選手たちはBartraがキックの前にエリア内に侵入していたとしてPKのやり直しを猛抗議したものの、VARチェックにより、Bartraは空中を跳んでおりキックの瞬間にピッチの芝生を踏んでいなかった(空中の体は侵入とみなされない)ため、判定は覆らず。ベティスがリードを守り抜き、JoséMourinho体制のレアル・マドリードに今季初の黒星をつけました。

戦術・采配のポイント

マヌエル・ペレグリーニ監督率いるレアル・ベティスは、4-2-3-1の布陣を採用。前節レバンテ戦での5-2の大敗から守備の再構築を図るべく、Facundo BernalとMarcRocaのダブルピボットを敷き、中盤の強度を上げました。39分に守備の要であるDiegoLlorenteがMarc Rocaと激突して鼻骨を骨折するアクシデントに見舞われ、MarcBartraのスクランブル投入を余儀なくされましたが、NatanとBartraの急造センターバックコンビは粘り強くMbappéらに対抗しました。

対するレアル・マドリードのMourinho監督は、出場停止処分により次戦のチャンピオンズリーグ・インター・ミラン戦に出られないArda Güler、Eduardo Camavinga、BernardoSilvaらを先発に並べ、中盤を固めました。前半はGülerが創造性の源として攻撃のタクトを振るい、ベティスに大きな脅威を与えていました。

しかし、後半に入ると両監督の交代策が勝負の明暗を分けることになります。

Mourinho監督は、53分にGülerがMarcRocaへ激しいタックルを見舞った際、2枚目のイエローカードによる退場を避けるために彼をピッチから下げる決断を下しました。しかし、この交代によってレアル・マドリードは攻撃の「ひらめき」を完全に喪失します。Denzel Dumfriesを下げてTrentAlexander-Arnold、さらにBernardoSilvaやDiomandéをピッチに送ったものの、チームの組織力は逆に低下し、中盤に大きなスペースが生まれ始めました。

この機を逃さなかったのが名将ペレグリーニ監督です。75分に機能していたものの疲労のイエローカードを抱えていたBernalとCuchoHernándezに代えて、DeossaとParrottを同時に投入。この決断が完璧に嵌まりました。フィジカルに長けるParrottが前線で確実にボールをキープしてマドリーの守備陣を押し下げ、Deossaのダイナミックな推進力がコーナーキックの獲得に直結。結果として、この交代で入った二人が劇的な決勝ゴールを創出しました。

現地メディアの選手採点・評価比較

現地各紙は、この白熱した一戦で最高の輝きを放ったベティスのGKÁlvaroVallesに惜しみない賛辞を送る一方、精彩を欠いたレアル・マドリードのスター選手たちに厳しい目を向けました。

Álvaro Valles(レアル・ベティス/GK)

各メディアがこぞって「10点満点」の評価を叩き出しました。SPORTは「最高評価(Matrícula dehonor)」を冠し、6度の決定的なセーブと期待失点(xG)2.67を阻止した驚異的なスタッツを絶賛。ElDesmarqueも「間違いなく再びチームの救世主となった。MbappéのPKを止めたあのセーブは、ベティスにとって勝ち点3と同等の価値がある」と表現しました。

Arda Güler(レアル・マドリード/MF)

マドリーの中で唯一と言っていいほど高い評価を受けました。ASは「右サイドから自由を与えられ、エリア内で決定的な創造性をもたらしていた」と評し、Gülerが下がったことでマドリーからフットボールが消えたと指摘。MundoDeportivoも「イエローカードを考慮した交代は理解できるが、チームから唯一の創造性を奪ってしまった」とMourinho監督の采配への疑問に繋げています。

Kylian Mbappé(レアル・マドリード/FW)

前半の決定機でシュートを相手DFにブロックされ、後半終了間際には同点に追いつくはずだったPKを止められたことで、現地メディアからの風当たりは非常に強いものとなりました。MARCAは「ゴールを奪うために獲得したはずの怪物が、最も必要とされた瞬間に牙を剥かなかった」と失望を露わにしています。

Vinicius Jr(レアル・マドリード/FW)

PKの獲得やEspíへの幻のアシストは見せたものの、ベティスのベジェリンの執拗なマークに遭い沈黙。ASは「Bellerínに完全に封じ込められ、試合を通じて苛立ちを募らせるなど、精神的な弱さを露呈した」と厳しい論調で評価しました。

試合後の監督・選手コメント

マヌエル・ペレグリーニ監督(レアル・ベティス)

「何よりも、レバンテ戦の不当な大敗から、チームが見事なリアクションを示して立ち上がったことを誇りに思う。相手がレアル・マドリードという世界トップクラスの難敵であっても、このグループが強いメンタリティを持って這い上がれることは分かっていた。前半は一進一退だったが、後半は我々がよりポゼッションを支配した。ÁlvaroVallesは驚異的なセーブで何度も我々を救ってくれたし、Parrottが初ゴールを決めたことも嬉しい。彼はレバンテ戦で好機を逃したが、今日はストライカーとしての本能と馬力を見せてくれた。これが彼に大きな自信を与えるだろう。審判の判定についてMourinhoが何か言っているようだが、我々が過度に荒いプレーをしたとは思わない。判定が勝敗を分けたわけではなく、我々がチャンスを決め、彼らが決められなかった。ただそれだけだ」

José Mourinho監督(レアル・マドリード)

「我々は勝つに値する素晴らしいプレーをした。支配し、センターバックは完璧に守り、何度もチャンスを築いた。10本も15本もシュートを打ち、決定機を逃し続けた一方で、相手のゴールキーパーは信じられないようなセーブを連発した。引き分けですら不満が残るはずの内容だったのに、まさか負けるとは。フットボールではこういうことが起きる。おめでとう、ベティス。彼らは引き分けを狙って戦い、結果として宝くじを当てたのだ。だが、言わせてもらおう。我がチームの選手たちはあまりにも『純粋(ナイーブ)』だった。Valverdeは激しく踏みつけられても、マドリーのキャプテンとしての名誉を重んじてすぐに立ち上がった。だが、あちら側にはそんな態度はない。ベンチ前で倒れたベティスの選手(FranGarcía)は、まるで死んでしまったかのような大げさなリアクションをして時間を稼いだ。救急車でも呼んだ方がいいのかと思ったが、結局救急車は来なかった。ベティスの選手たちは我々よりも狡賢く、主審をコントロールする術を知っていた。Gülerの交代は、彼が素晴らしいプレーをしていただけに辛かったが、すでにカードを貰っており、あの騒がしいサポーターとずる賢い相手を前にして彼を退場のリスクに晒すわけにはいかなかった」

Álvaro Valles(レアル・ベティス/GK)

「MbappéがPKを蹴る際、彼のキックの意図を完璧に読み切ることができた。彼を少しでも焦らせ、集中を乱すための駆け引きを仕掛けたんだが、それが完璧に功を奏したよ。信じられないような夜だ」

Dani Ceballos(レアル・ベティス/MF ※登録が間に合わずスタンド観戦)

「再び自分の愛する我が家に帰ってくることができて、これほど幸せなことはない。ファンから受けた素晴らしい愛情に、ピッチの上で恩返しをしたい。今回はまだチームの全体練習をこなせていなかったが、来週火曜日のチャンピオンズリーグに向けて、100%の状態に持っていけるよう全力で調整を急ぐつもりだ」

新生Mourinho体制に初めて冷水を浴びせ、歓喜の泥にまみれたベティス。この熱狂を追い風に、両チームは週明けから始まる待望のチャンピオンズリーグの戦いへと身を投じることになります。