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アスレティック・ビルバオ vs アトレティコ・マドリード

ラ・リーガ / jornada-4 / Estadio de Athletic / 2026年9月5日(土)

アスレティック・ビルバオ 3-0 アトレティコ・マドリード

試合サマリーと得点経過

2026年9月5日、バスクフットボールの聖地サン・マメス。ラ・リーガ第4節のビッグマッチ、アスレティック・ビルバオ対アトレティコ・マドリードの一戦は、ホームのアスレティックが後半開始早々の「奇跡の1分間」でアトレティコを圧倒し、3 -0という衝撃的なスコアで完勝を収めました。前半はアトレティコが「偽9番(falso9)」システムを駆使してゲームを支配し、ポスト直撃のシュートを2本放つなど、アスレティックは防戦一方の厳しい展開を強いられていました。しかし、ハーフタイムを挟んだアスレティックはまるで別チームのような躍動感を見せ、2ゴールを瞬時に奪ってアトレティコを文字通りノックアウトしました。

この試合の得点経過は以下の通りです。

1点目(後半1分/46分):ニコ・ウィリアムズ後半開始直後の電撃戦でした。右サイドでのキープからオイハン・サンセが粘り(ボールがタッチラインを出ていたのではないかとアトレティコ側が抗議し、VARが長い時間をかけてチェックしましたが、インプレーの判定でゴールが認められました)、パスを受けたイニャキ・ウィリアムズがシュートを放ちます。このシュートはアトレティコDFに当たってディフレクトしたものの、ゴール前へ絶妙な放物線を描いてこぼれます。そこにいち早く反応したニコ・ウィリアムズが、相手守備陣の一瞬の隙を突いてヘディングで押し込み、アスレティックに待望の先制点をもたらしました。

2点目(後半3分/48分):ロベルト・ナバロ先制の興奮が冷めやらぬサン・マメスのボルテージがさらに跳ね上がったのは、わずか1分後のことでした。アトレティコが失点後のキックオフからわずか数本のパスを繋いだところで、アスレティックの前線からの猛烈な連動プレスが牙を剥きます。高い位置でボールを奪い取ると、イニャキ・ウィリアムズが素早く右サイドへパスを供給。これを受けたロベルト・ナバロがエリア内に進入し、寄せてくる相手DFを切れ味鋭い切り返しで完璧に欺くと、GKヤン・オブラクの逆を突く見事なコントロールシュートをゴール左隅へ突き刺しました。わずか100秒強の間で奪った2つの電撃ゴールが、アトレティコの心を折る決定打となりました。

3点目(後半44分/89分):オイハン・サンセアトレティコが焦りから守備の調律を完全に乱す中、アスレティックは後半終了間際にトドメの一撃を浴びせました。右サイドから中盤のベニャト・ゲレナバレーナが質の高いクロスボールをエリア内へ送ります。このボールがアトレティコ守備陣のクリアミスからリバウンドとなると、ゴール前へ走り込んでいたオイハン・サンセが反応。エリア内で浮き球をコントロールすると、右足インサイドで正確に捉え、オブラクの牙城を崩す正確無比なシュートをゴール右隅へ流し込みました。サン・マメスは熱狂の渦に包まれ、アスレティックの今季2勝目が完勝という形で決定づけられました。

戦術・采配 of ポイント

エディン・テルジッチ監督率いるアスレティック・ビルバオは、慣れ親しんだ4-2-3-1のフォーメーションを継続。GKにウナイ・シモン、最終ラインにはアレソ、イェライ、ラポルト、ユーリを配し、中盤にはゲレナバレーナとガラレタのダブルボランチ。2列目はロベルト・ナバロ、サンセ、ニコ・ウィリアムズ、1トップにイニャキ・ウィリアムズという機動力に溢れるメンバーを送り出しました。ハーフタイムにはアクシデントが発生します。前半にアトレティコのモルテン・ヒュルマンドと頭部を衝突させていたイェライが脳震盪の疑いにより退場を余儀なくされ、アイトール・パレデスが急遽ピッチへ送り込まれました。しかし、テルジッチのハーフタイムの修正は極めて的確でした。前半に給水タイムから苦慮していた左サイドでの守備網の再構築を命じ、サイドハーフの守備復帰と、攻撃時における右SBアレソのオーバーラップのタイミングを微修正。この意思統一が後半開始直後の爆発的な連動プレッシングに結びつきました。

対するアトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督は、エースのアレクサンダー・ソルロスが負傷で離脱し、フリアン・アルバレスもコンディション調整からベンチスタートとなったため、アレックス・バエナを中央の「偽9番(falso9)」に置く4-2-1-3のゼロトップ戦術を採用しました。トップ下にイ・ガンイン、両ウイングにルックマンとジュリアーノ・シメオネを配置。この前半の戦術は極めて良好に機能していました。開始3分、イ・ガンインが右サイドから中に切れ込んで放ったシュートがポストを叩き、前半終了間際にはパブロ・バリオスの強烈なシュートもポストを直撃。中盤のパブロ・バリオスとヒュルマンドがボールを回収し、イ・ガンインとバエナがスペースを支配するアトレティコが明らかに試合を有利に進めていました。

しかし、後半開始直後の2分間での2失点は、アトレティコに最大の「大停電(desconexión)」をもたらしました。シメオネ監督は58分、状況を打破すべく、ルックマン、ヒュルマンド、ジュリアーノ、イ・ガンインを下げ、フリアン・アルバレス、コケ、クティ・ロメロ、アルナウ・オルティスを一挙に同時投入する「歴史的な4枚替え」を断行。クティ・ロメロの投入に伴い3バックシステムへ移行し、フリアン・アルバレスを本職の9番の位置に置いて攻撃を活性化させようとしました。実際、フリアン・アルバレスの投入によりアトレティコは再び推進力を取り戻し、彼の放った決定的なシュートがアスレティックの守護神ウナイ・シモンの驚異的なファインセーブに阻まれるなど、一矢報いるチャンスはありました。しかし、完全にローブロックを形成して組織的な守備を徹底したアスレティックの牙城を崩すことはできず、むしろカウンターから3点目を献上する結果となりました。ハーフタイム明けの油断と、ゼロトップの綻びを突かれた際の守備の決断力の遅さがアトレティコの敗因となりました。

現地メディアの選手採点・評価比較

試合後、現地各紙の選手評価では、アスレティック・ビルバオの守備の要であるアイメリク・ラポルトに対して「9点」(10点満点)という極めて高い評価が並びました。Mundo Deportivoは彼を本試合のMVP(ElMejor)に選出し、「空中戦でも地上戦でも相手を完全に無力化する圧倒的な守備のデモンストレーションを披露した」と絶賛。また、ボランチとしてスタメン出場したカンテラ出身のベニャト・ゲレナバレーナに対しても、ElDesmarqueは「9点」を与え、「テルジッチ体制の最大の発見。中盤の汗かき役でありながら、ビルドアップの起点となり、3点目をアシストするクロスを配給した」とその成長を称えました。ニコ・ウィリアムズ(9点)とロベルト・ナバロ(8点)は、その決定力と切り返しの鋭さが高く評価されています。一方、オイハン・サンセに対しては「9点」の評価が与えられ、10番の位置から9番、ウイングまで複数の役割を全うした柔軟性と、試合を終わらせる見事なフィニッシュが絶賛されました。

アトレティコ・マドリード側の採点は悲惨な結果となり、ElDesmarqueでは7名に対して赤点(Suspenso)がつけられる厳しい内容となりました。特にやり玉に挙げられたのが、左SBのアレハンドロ・グリマルドです。MundoDeportivoは彼を「完全にスピードと技術で上回られた」と酷評。特にロベルト・ナバロの2得点目のシーンにおいて、エリア内で見事な切り返しに完全に引っかかり、失点シーンの主役になってしまった(sale en lafoto)ことを指摘。さらに、イニャキ・ウィリアムズの対応にも終始後手を踏んだと論じられました。

さらに、前半に中盤の「壁」として圧倒的な存在感を放っていたモルテン・ヒュルマンドに対しても、後半開始直後の決定的な2失点の場面での消極性が批判の対象となりました。前半にポスト直撃シュートを放ったイ・ガンインやパブロ・バリオス、アクティブだったアレックス・バエナ(ElDesmarqueでアトレティコ側最高の6点評価)も、後半に入るとアスレティックの修正されたプレッシングに沈黙し、前半の輝きを失いました。

途中出場のフリアン・アルバレスについては、短い時間ながら唯一ウナイ・シモンを脅かす決定機を演出しました。敗戦にもかかわらず、試合後にはアウェーに駆けつけた約200人のコレーロ(アトレティコサポーター)に向かって自ら歩み寄り、前回のビジャレアル戦でのブーイングから一転して「和解とリスペクトの拍手」を送った態度が、現地メディアから精神的な成長として一定の評価を得ています。

試合後の監督・選手コメント

アスレティック・ビルバオのエディン・テルジッチ監督は会見で喜びを爆発させました。「ホームで勝利すること、それもアトレティコのような強豪に完勝することは本当に格別だ。このチームは私のチームではなく『我々のAthletic(nuestroAthletic)』であり、すべての試合で勝ちに行く準備ができている」と誇らしげに語りました。また、ハーフタイムの修正については、「前半の給水タイム後、我々が守備で苦戦していた左サイドをいかに修正し、左サイドからどう裏のスペースを突くかを共有した。後半開始時の選手たちのリアクションは、私の想像を超える素晴らしいものだった」と明かしました。さらに、大活躍のオイハン・サンセについては「10番から始まり、状況に応じて9番、左ウイングと異なる4つの役割をこなしてくれた。信じられない才能だ。彼はラ・リーガで最高の選手になれるポテンシャルを秘めている」と最敬礼しました。

先制点のニコ・ウィリアムズは「サン・マメスで勝ち点3を獲得し、監督が求める新しいスタイルをファンに証明したかった。僕たちのミスターは本当に特別(espectacular)だ。ピッチ上で彼の戦術が反映されている。まだ新しいコンセプトを吸収している段階だが、完璧にフィットしてきており、最高のAthleticをファンに見せられている」と新指揮官への全面的な信頼を口にしました。

一方、敗軍の将となったディエゴ・シメオネ監督は、ハーフタイム明けの「大停電」に厳しい表情を浮かべました。「前半は非の打ちどころがないほど素晴らしかった。パーソナリティがあり、支配し、決定機も作った。しかし後半の立ち上がりの2分間でゲームは壊れてしまった。あの集中力を欠いた時間帯の責任は、すべて選手たちにハーフタイムで適切なアプローチを伝えきれなかった私とスタッフ(cuerpotécnico)にある」と自己批判。さらに「私たちはまだチームの建設途中にあり、今後もこうした困難な時期を経験する。ただ、今日の敗戦は、自分たちが抱える課題を解決するための良い警鐘となった。アスレティックは本当に統率された守備ブロックを持っており、上位争いの直接的なライバルになることは間違いない」と対戦相手をリスペクトしました。

なお、記者会見の終盤、フリアン・アルバレスが試合終了後にピッチで控え選手と共に行う補習練習を拒否したとされる噂について問われると、シメオネは「本気でそんな質問をしているのか?(¿Enserio?)」と不快感を露わにし、「ノーコメントだ」と怒りを滲ませて会見を締めくくりました。移籍市場が閉じた今、フリアンとクラブとの確執は沈静化を見せるべきですが、ピッチ内外で冷めやらぬ火種が残っていることを象徴する一幕となりました。