最高の守備を誇るコバチ監督の戦術 3-4-2-1の機能美
現在のドルトムントを率いるのは、2025年2月に指揮官に就任したニコ・コバチ監督です。就任当時、極めて困難な状況に直面していたチームをコバチ監督は見事に立て直し、高い競争力を持つ強固な集団へと作り替えました。その成果は数字にも顕著に現れており、昨季は勝ち点73を獲得してブンデスリーガ2位でフィニッシュ。特筆すべきはリーグ最少の「34失点」にとどまったディフェンスの堅牢さであり、ドイツ国内で最も堅い盾を構築することに成功しました。
一方、昨季のチャンピオンズリーグでは、グループステージで11ポイントを獲得して17位となり、決勝トーナメントに駒を進めました。ホームで行われたアタランタ戦では2-0の完勝を収め、その強さを見せつけたものの、敵地ベルガモでの第2戦では1-4と守備陣が完全に崩壊し、手痛い敗戦を喫しています。
コバチ監督が採用する基本フォーメーションは「3-4-2-1」です。3枚のセンターバック、攻守にピッチを駆け回るロングレンジの両ウイングバック、中盤を広範囲にカバーするダブルボランチ、そして前線のセイル・ギラシの背後で流動的に動く2枚のシャドー(トップ下)で構成されています。
コバチ監督率いるチームは『ポゼッションに固執せず、素早く縦へ仕掛け、手数をかけずに相手のゴールを陥れる』という、縦へのスピードを極限まで突き詰めたスタイルを志向しています。ボールを奪ってから素早く縦に加速し、少ないパス本数で相手ゴールに迫るショートカウンターを得意としています。また、ボールを失った直後の素早い守備への切り替え(即時奪回)と、激しい前線からのプレスも徹底されています。守備時には両ウイングバックがディフェンスラインまで後退し、瞬時に「5-4-1」または「5-2-2-1」の強固な守備ブロックを形成するため、スペースを突くのは容易ではありません。(via SPORT)