緊急の「偽9番」起用にシメオネが直接謝罪!アデモラ・ルックマンが抱える戦術的ジレンマ

本来の持ち味を活かせない役割を強いられている選手に対し、指揮官自らが歩み寄り、異例の謝罪を行いました。

現在アトレティコの前線は、新エース候補のアレクサンダー・ソルロートが筋肉の負傷で離脱し、フリアン・アルバレスも心身ともに実戦に適したコンディションにないという危機的状況です。この窮地を凌ぐため、シメオネ監督はアデモラ・ルックマンを「ワントップ」に据える苦肉の策を採用せざるを得ませんでした。

しかし、ルックマンの本領は鋭いドリブルや1対1の局面での仕掛け、左サイドからカットインして放つ強力なシュートにあります。かつてイタリアのアタランタで得点力を爆発させた際は、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督のもと、中央で別のストライカーが相手ディフェンダーを固定し、ルックマンがサイドから自由に仕掛けられるシステムが構築されていました。アトレティコではそうしたサポートがなく、ブロックを低く構える相手ディフェンダーに囲まれ、背中で相手を背負う静的なプレースタイルを強いられ、戦術的に完全に孤立しています。

こうした現状を受け、シメオネ監督はビジャレアル戦の後にルックマンと直接対話し、謝罪したことを明かしました。

『ここが君本来のポジションではないことは十分に理解している。それでも、今はチームを助けてくれ』

さらにシメオネ監督は、不慣れな役割を黙々とこなす彼の姿勢を絶賛しています。

『ルックマンは非常に利他的で、チームのために並々ならぬ努力をしてくれている高潔な男だ。前線の選手たちが揃い、フィールドで彼本来のスペースを分かち合えるようになれば、彼が最も楽しむことができるドリブルや1対1の強さをすぐに返してあげられるはずだ』

スタッツの比較でも、ルックマンが前線で孤立している様子が浮き彫りになっています。ビジャレアル戦で途中から33分間プレーしたフリアンは、シュートこそ失敗したものの12回のボールタッチを数え、10本中9本のパスを成功させました。対するルックマンは先発して83分間もの時間をピッチで過ごしたものの、ボールタッチはわずか23回、シュート1本、パス11本に留まっています。シメオネ監督はプレシーズンからこの配置を試してきましたが、本来の輝きを取り戻すためにも、純粋なセンターフォワードの復帰が切実に求められています。(via Mundo Deportivo)