新監督の戦術とキャリア

ベニャト・サン・ホセは、家から何千キロも離れた場所でキャリアを築いてきた異色の経歴を持つ。レアル・ソシエダの下部組織で指導をスタートした後、2012年にサウジアラビアのアル・イテハドのBチームのオファーを受け渡海。数カ月後にはトップチームに昇格し、サウジリーグで最も若い監督の一人となった。そこで若手を積極的に起用して2013年に国王杯を制覇した。その後、アル・エティファクを経て南米へ渡り、チリのアントファガスタで1部残留と歴史的な国際大会出場権を獲得。ボリビアのボリバルではリーグ連覇を達成し、チリのウニベルシダ・カトリカでは2018年にリーグ優勝を果たした。さらにUAEのアル・ナスル、ベルギーのKASオイペン(当時のクラブ史上最高のシーズンを記録)、メキシコのマサトラン、再びボリバルとアトラスを指揮し、多様な経験を積んできた。

戦術面ではプロアクティブなプレーをアイデンティティとしており、4-3-3や4-2-3-1を使い分けながら、後方からのクリーンなビルドアップ、ボールロスト後のハイプレス、ボールを持った時の高いテンポを優先する。サイドで幅を取り、ライン間で流動的に動き、素早くポゼッションを回復するためのアグレッシブなプレーを求める。しかし最大の長所は、そうした原則を各チームの競争環境に適応させるプラグマティズム(実用主義)である。この適応力はエイバル時代にも発揮され、2025年2月に就任すると、ハイプレスを維持しつつ守備ブロックを強化し、トランジションを改善することで、エイバルをセグンダで最も堅守なチームの一つへと変貌させた。こうした実績とモダンで柔軟な戦術アプローチが、ラージョの競争力を保ちつつエリート層での成長を促す適任者として評価された。(via ElDesmarque)